こんにちは、加藤工務店です。
先日の能登の豪雨など、今年の8月、9月は記録的な大雨による水害に見舞われた地域も多かったですね。災害に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。平塚市も2024年9月の台風10号による豪雨で河川が氾濫し、住宅の床上浸水や、道路が冠水したエリアもありましたので、とても他人ごとではありません。これからは台風シーズンでもあるため、豪雨による被害をできるだけ少なくするための日頃の対策や、リフォームで備える方法などをご紹介していきます。
備えその1・水害のパターンを知っておこう
「水害」とは、大雨や台風などによっておこる災害のことを指しますが、
水害は大きく2つに分けることができます。
河川の氾濫による「外水氾濫」
※画像はイメージです
大雨・豪雨によって河川が氾濫し、住宅や農業用地などに浸水することを「外水氾濫」と言います。川や水路などに近いエリアが短時間で浸水するなどの被害を引き起こします。
家屋の全壊・半壊や人的被害のほとんどが外水氾濫に該当します。
雨水が処理しきれずにあふれ出す「内水氾濫」
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河川などの氾濫による「外水氾濫」とは異なり、降った雨が下水管・排水設備などで処理しきれずにあふれ出してしまうことを「内水氾濫」と言います。
アスファルトやコンクリートで覆われた道路は、雨水が地面に浸透しにくいため、短時間での降水量が多いと下水の処理が追い付かず、内水氾濫が発生しやすくなります。内水氾濫は道路のアンダーパス、地下街、地下の駅構内などの都心部で発生しやすくなります。
備えその2・日頃からできる水害対策は?
昨今の雨では短時間でかなりの降水量となりますので、油断は禁物!できる時にしっかりと対策をして水害に備えましょう。
住宅の周囲を安全チェック
□雨戸がきちんと閉まるか
□外壁にひび割れはないか
□サッシのがたつきやゆがみ、窓ガラスのひび割れや隙間はないか
□屋根材にひび割れ、劣化がないか
□雨どいや排水溝に落ち葉や泥などが溜まっていないか
雨戸や外壁、サッシ・窓はセルフチェックが可能ですが、屋根や雨どい、排水溝などは自分ではチェックできない場合もありますよね。そんな時は信頼できる業者に相談しましょう。
ハザードマップで自宅周辺の状況を確認する
お住まいの自治体のHPが公開しているハザードマップを必ず確認しておくことも大切です。
□自宅周辺はどこが浸水しやすいか
□自宅エリアの避難場所はどこか
いざという時は、携帯電話が使えず連絡が取れない場合も想定して、日ごろから避難ルートや場所についても家族で話し合っておきましょう。
土のうや水のうを準備しておく
ハザードマップを確認したら、土のうや水のうを準備しましょう。最近では土砂不要の水で膨らむ使い切りタイプの土のうなど、様々な種類が登場しています。どこにどのくらい積めばよいかを想定して必要な個数を準備しましょう。ブルーシートとの併用で止水効果がアップするのでブルーシートも準備しておくとよいでしょう。
非常用品も準備
水害だけではなく、地震や落雷時などの災害でも活躍する非常用品。家族分の量を準備しておきましょう。
□水と食料
□医薬品
□懐中電灯
□カセットコンロ・ボンベ
地震などの災害時では、ライフラインの復旧目標に数は電気で6日と言われています。この期間をしのげるように準備しておけば水害だけでなくほかの災害でも役に立ちます。非常用品は、水害を受けにくい場所に保管しておくことも大切ですね!預金通帳、印鑑などもすぐに持ち出せる場所や安全な場所に格納しておきましょう。
備えその3・水害対策に有効なリフォームにはどんなものがある?
では、実際にリフォームで水害に備える方法を見ていきましょう。
雨戸を強固なものにチェンジ
台風などの場合、強風による飛来物で窓ガラスが割れ、家の中に飛び散ったガラスの破片で怪我をしたり、水浸しになって大切な家電が故障してしまったり、という話も聞きます。そして何よりも後始末が大変ですね。そこでまず役に立つのが、雨戸です。雨戸は後付けも可能ですので比較的簡単に設置することが可能です。軽い力で開閉できるタイプや、電動など、種類も様々あります。雨戸を閉めることで、騒音や室内の温度の維持、防犯など、様々な面で役立ちます。
外壁塗装で耐水性を高める
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外壁の塗装は、本来建物の防水や劣化を防ぐためになされています。ですが、10年ほどで劣化したり、ひびが入ったりするので定期的なメンテナンスが必要です。
日頃のチェックで気になると箇所がある場合や、前回の塗装からの年数などを考慮しながら塗り替えをしておくとよいでしょう。外壁は0.3ミリ以上のヒビが生じている場合は早めの対策が必要です。塗料を防水性の高いものに塗り替えるほか、大掛かりなリフォームをする場合は、外壁を防水性が高い壁材に変えるというのも一つの方法です。
屋根材の見直し
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屋根材がはがれると、その下の防水層がダメージを受けて雨漏りをしてしまうことも。屋根の下に防水シート(ルーフィング)を設置することで雨漏りや雨の侵入を防ぐことができます。また、外壁と同様、0.3ミリ以上のヒビが生じている場合は早急な対策が必要です。なかなか屋根は自分ではチェックできないので、外壁塗装などのメンテナンスの際に業種にチェックしてもらうのが良いでしょう。
雨どいを丈夫なものに変更
雨どいは雨水を集めて排水する機能を有するため、大雨に強い住まいにするためには雨どいを変更するのも有効です。雨どいは塩ビ製のものなどもありますが、さびや劣化に強いスチール製のものも登場しています。
窓を複層ガラスにする
窓を複層ガラスに切り替えることで、室内と室外が二重にガードされ、内部に水が浸入しにくくなります。また、防音、室内温度の維持、結露の予防など水害以外にも役立ちます。また、窓に軒やひさしを設けると雨の侵入w防ぐだけでなく、外壁や窓そのものの耐久性を高め、住宅の劣化を防ぐ効果もあります。
1階と2階のブレーカーを分けておく
停電などになった時に、電力が復旧しても、ブレーカーが故障してしまうと電気を使うことができません。水害のリスクが高い1階とリスクが少ない2階とでわけておくのも有効な対策です。
2階で過ごす家にシフトチェンジも
先ほど1階と2階のブレーカーを分けておく、というお話をしましたが、長く過ごすリビングや寝室を2階にレイアウトするというのも万が一浸水被害が起きても安心です。河川に近いエリアや過去に床下浸水があったエリアにお住いの方はそのような対策をしておくのも良いかもしれませんね。
在宅避難ができる住まいに
一昔前までは、被災したら避難所へ、という認識が濃かったのですが、最近では感染症対策やプライバシー確保のために、在宅避難をするという選択肢も考えられるようになってきました。耐震性の高い家屋や貯水タンク、自家発電など災害時に万全の住まいを準備する人も増えています。立て直しや大規模リフォームの際はそのような設備を検討するのも安心につながりますね。
万が一水害になってしまったら
では、最後に水害に遭ってしまったときの心構えについても解説しておきますね。
□まずは落ち着き被害を確認する
□罹災証明のために室外と室内の被害状況を写真等に収めておく
□浸水した場所のコンセントや電源は使わない
□食中毒や病気などの衛生管理にも気をつける
□避難する際にはブレーカーは落としておく
また、復旧前は
□電気・水道・ガスなどのライフラインを確認する(ブレーカーが落ちていると漏電の場合も)
□生活再建までの見通しを立てる
□浸水が収まって乾いてきたら床や棚を消毒する
いかがでしたでしょうか?日頃からできる水害対策とリフォームについてお話してきました。
これらを思い出していただけたら幸いです。
この記事を読んでいただき、少しでも参考になり、心構えとなれば嬉しく思います。
どうぞ、日ごろからの備えもお忘れなく!